29名のゼミ生(2-3年生)とゼミOBOG(4年生)で、クアラルンプールとマラッカを訪れ、4日間の研修を行いました。今回は大人数で賑やかな研修となり、現地でのグループワークなども取り入れ、沢山の経験をできました。ご協力くださった皆様に心より御礼を申し上げます。研修後に市ヶ谷キャンパスメディアラウンジにて、研修先で学んだことをポスター展示しましたので、展示したポスターにて研修を振り返り、学生から寄せられた感想(抜粋)を掲載します。
研修では以下の訪問先にお世話になりました。また、旅程の作成に際しては、川端隆史・ジョーシスシニアエコノミスト、舛谷鋭・立教大学教授、伊賀司・名古屋大学特任准教授に多くのご助言やお力添えをいただきました。加えて、事前研修として日本アセアンセンター、カルチュア・コンビニエンス・クラブ広報、デンソー本社、川端隆史氏にもお世話になりました。第二次大戦期の記憶については、「島から島へ(廖克発監督)」上映会と、監督を囲んだ座談会も行いました。
※ポスターのスライドはこの順番となっています。
【現地の研究・教育機関】
華社研究中心・華人博物館
APPGM-SDGs(BAYU Smart Farm)
HELP大学(法学部/ビジネス学部)
【日本企業・マーケティング】
大手商社クアラルンプール支店
デンソー・マレーシア
TSUTAYA BOOKS MALAYSIA
クリスク/メディアボックス・NURUL Asykinさん
【文化や歴史を知るスポット】
ペトロナスタワー/スカイブリッジ
プトラモスク(ピンクモスク)
マラッカ市街地見学、海峡モスク
クアラルンプール日本人墓地
華人虐殺犠牲者の碑(クアラルンプール/マラッカ)
華僑機工回国抗戦殉難記念碑/博物館
マレーシアの食べ物
今回の海外研修を通して、最も強く印象に残ったのは、「他者を理解することの難しさ」と、「当事者にしかわからない感覚を、どのように受け止めていくか」というテーマである。マレーシアは、複数の民族が共存する多文化社会であり、宗教や文化の多様性が日常の中に組み込まれている。そのような社会では、人々が自然と、他者と共に生きるという姿勢を身につけているように見えた。(まえだ)
今回の研修を通して、マレーシアの食文化や歴史、伝統に触れ、新たな経験をする機会が多くあった。日本は多民族国家ではないため、他民族の文化を知る機会は多くなく、特に宗教において先入観で決めつけてしまっていた部分が多くあったと考え直すきっかけとなった。何事も先入観に囚われず、知ろうとすること、理解を深めることが重要だと感じた。(さとう)
今回のマレーシア研修では、総合商社、TSUTAYA、DENSOといった日本企業の現地支店を訪問し、企業活動の実際を間近で学ぶことができた。そこでは事前に日本で抱いていたイメージと、マレーシアという多民族国家の中にたつ企業運営の現実との間には、大きな違いがあった。日本の本社が掲げる理念や価値観で当たり前のように思っていたものが、異なる文化的背景をもつ従業員や消費者にそのまま適用することは難しく、現地に合わせた柔軟な解釈や工夫が不可欠であると強く感じた。企業の海外展開は単なる利益の創出ではなく、国と国、文化と文化の繋がりであると感じた。(みとみ)
研修で特に印象に残ったのは、日系企業の海外ビジネス展開をする際の企業努力についてである。 日系企業らしさを残しつつ、海外のニーズを汲み取り、現地に適応させることで、海外でも拠点数を増やすことができ、さらなる成長につながっていることを実感した。日系企業の海外ビジネスモデルに興味を持つ第一歩となった。 (ふたみ)
日系企業の海外事業展開における工夫や企業努力について知れたことが、最大の成果であった。例えば、デンソーでは、日系企業としてのクオリティを保つために行われている工夫について学んだ。中でも工場見学においては、工場内に職員の写真や成果パネルを掲示するなど、従業員の士気を高める取り組みが印象的であった。また、ムスリム社員が一日五回の礼拝を行いながらも残業を厭わず品質と生産量を担保している点や、育休や保育施設の話に日本との働き方の違いを感じさせられた。(ふるかわ)
訪問先の中で特に印象に残ったのは、デンソーマレーシアである。デンソーは日本企業でありながら、そこで働いているのはほとんどが現地マレーシアの人々である。日本企業らしい「きっちりした基準」や「高い品質管理」を維持しながら、マレーシアの人々の国民性ともいえるおおらかさや時間に対する感覚の違いといかに向き合って一緒に仕事をしているかについて伺うことができた。日本流のやり方を一方的に押し付けるのではなく、相手の文化や価値観を尊重したうえで調整していくことが必要不可欠だと感じた。(ひろなか)
マレーシア研修の中で特に印象に残っていることは、TSUTAYA BOOKS (CCC)の方々とのワークショップである。日本でのビジネスと海外でのビジネスでは様々な相違点があり、本社と現場の双方のお話を伺えたことで、非常に学びが多かった。事前に日本でそれぞれの店舗の空間デザインの工夫を紹介して頂いたが、実際のターゲット層は家族であり、子供向けの本の売り上げがマレーシアの家族文化に起因していることも、今回の機会がなかったら知り得なかった。(あんざい)
マレーシアでは、宗教がビジネスや会社の運営に関わっていることに、日本との違いを感じた。生活や働き方に宗教が一体化している様子は、文化の違いを知る上で非常に面白かった。さらに、ヌルルさんのお話を聞いて、イスラム教は厳格だというイメージがなくなった。ヒジャブや礼拝がある一方で、信仰する人に合わせた柔軟な信仰の仕方ができることが意外で、興味深かった。(まつした)
今後の日本とムスリム社会のかかわり方について考えさせられた。日本でもイスラム教徒の観光客や留学生が増えており、ハラール食や礼拝場所の整備など、ヌルルさんもおっしゃっていた「ムスリムフレンドリー」な、多文化共生に向けた取り組みが求められている。マレーシアのように宗教や文化の違いを前提とした社会づくりは、日本にとっても今後の大きな課題だと思う。相手の文化を尊重しあい、柔軟に受け入れる姿勢を持つことがビジネスや国際関係においても信頼を築く土台になると感じた。(うちの)
ピンクモスクでは女性はヒジャブを着ることが義務付けられていた。友人たちがヒジャブを着ていたため、私たちがムスリムだったらどうなのかという視点を擬似的に体験することができた。またモスクに併設されているトイレが特に印象に残った。トイレはモスクの地下にあり、トイレに行くまでの道中には足を洗うための百機以上の水道が設けられていた。またトイレは水浸しになっており、紙も無く、まさにムスリムのリアルを目の当たりにした。 (たきざわ)
マラッカで最も印象に残ったのは海峡モスクである。このモスクは海に面して建てられており、景観がとても綺麗で印象に残った。建物の外側には、マレーシアの国旗とマラッカの州旗が建てられており、マラッカという場所がかつてはとても栄えていたことがうかがえた。また、実際にイスラム教徒の方々が礼拝をする様子もわかり、モスクがイスラム教徒にとって欠かせない存在であるということを改めて実感した。(しのざき)
マレーシアの華人を見つめることで、自分たちの歴史に向き合うこともできた。研修では華人博物館や南洋機工記念館、華人虐殺の慰霊碑を訪れた。東南アジアにおける日本軍の「華僑狩り」については知っていたが、その実態は知らなかった。研修の事前学習における映画「島から島へ」の鑑賞に始まり、これらの記念施設を訪れることで私たち日本人がかつてマレーシアでどのようなことを行い、多くの華人を犠牲にしたかを私自身も記憶することができた。 (さかもと)
研修ではマレーシアの文化、生活、歴史や現地の日系企業の事業や工夫について人種や立場が異なる様々な方から学ぶことができた。そのため、日を追うにつれ、より多面的な視点からマレーシアについて考えることができた。また事前研修で、言葉では理解できても根本的には理解できていなかったことあったが、実際に現地を訪れたことで、事前の学習と現地での体験がつながり、より深く理解できた。特に、日本人墓地や中華民国男女共同惨死墳などでそれを感じた。 (ふじひら)
研修を通じて、文化や歴史を学ぶときには一方向の見方だけでなく、いろいろな立場から考えることが大切だと強く感じた。マレーシアの人々にとっては当たり前の宗教的習慣や多民族社会のあり方、そして戦争の記憶は、私にとって新鮮であり、自分の常識を揺さぶるものだった。現地に身を置くことで、自分の考えを相対化し、視野を広げるきっかけになった。 (なかむら)
研修期間中は、街中からテレビ番組まで、至る所でマレーシアの国旗を目にした。マレーシアの独立記念日である8月31日、国家記念日である9月16日に挟まれた、一年の中でも特にマレーシアのナショナリズムを意識する期間だったからだ。異なる価値観、生活習慣、歴史観を持つ多民族が共生するマレーシアにとって、大多数の人が共有できるもの数少ないものの一つが「独立国家マレーシア」という概念であり、その象徴である国旗を各々が掲げることが、その意識を強め、この国を一つの統一国家たらしめているのではないかと考えた。(こぐすり)
マレーシアに滞在している間に、多くの現地の方と話をする機会があった。タクシーの運転手、飲食店の店員、大学生など多岐にわたる。自分はマレーシアの方々は非常に良い人が多いと感じた。人が良いという表現は極めて安直であるが、自分はこの部分に強く惹かれた。具体的にはどの人に話しかけても笑顔で対応してくれた。これは日本人にはない部分である。人間が潜在的にもっている差別意識というものを、彼らからは感じられず、どんな人種に対してもフラットに接することができるマレーシアの人々に感銘を受けた。(むらかみ)
行きの飛行機では気づかなかったが、帰りの飛行機では、マップにメッカの方角が書かれていることに気づいた。他にも、ショッピングモールでぶたに天使の羽がはえているマスコットを見つけて疑問を持った。今までであったら疑問に思わなかっただろう。このように新たな知識を得ることで視野が広がり、新たな視点で物事を見られるようになったことが、知識の他に得られた大事なものであると考える。(なかじま)
研修全体を振り返ると、単なる観光ではなく、マレーシアの多様性を現場で体験し、日本との関係を歴史的・経済的な両面から捉えることができた点に大きな意義を感じる。異なる民族や文化が共存するマレーシアの姿は、グローバル化が進む日本社会にとっても学ぶべき点が多い。 (かみお)